感染症などに効く薬の有効成分を4つ解説

感染症を発症した場合には、各種の抗生物質や抗菌剤が配合された治療薬の投与が行われるのが一般的です。
ただ多彩な細菌に対して試用される薬には、代表的な有効成分を含んだものが数多く存在しています。
各種の感染症の原因には細菌・カビ・ウイルスなどが想定されます。
そこでこれらの感染症治療に試用される薬の、代表的な4種類の有効成分を検討していきましょう。

クラリスロマイシンは、各種の細菌の蛋白質合成を阻害して増殖を抑制し殺菌的に作用するマクロライド系の抗生物質です。
クラリスロマイシンは皮膚や呼吸器や耳鼻科領域の細菌感染症に幅広い抗菌スペクトラムを有しており、胃や十二指腸潰瘍のヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療にも使用されているのです。

ミノサイクリンはマクロライド系の抗生物質で、細菌増殖の為の蛋白質合成を阻害する作用を発揮し、増殖を抑制します。
非常に幅広い抗菌スペクトラムを持ち、耳鼻科から呼吸器、消化器官や尿路など各部位の感染症に抗菌効果を発揮します。
ただし耐性菌の問題から、ミノサイクリンは第一選択でない場合もあるとされています。

以上の2つの有効成分は細菌感染の治療を前提にしていました。
これに対しケトコナゾールは、白癬菌などの真菌類の感染症の治療に使用されるイミダゾール系の合成抗菌剤になります。
白癬菌感染による白線やカンジダ症の治療に使用されます。
日本国内で流通しているケトコナゾールは、ローションやクリーム仕様の外用薬になっている訳です。

ところで感染症の原因には数多くのウイルスも関係しています。
ウイルスは宿主の細胞に取り込んでしまう特徴があるので、抗生物質は無効です。
そこでウイルスの特性に応じた抗ウイルス薬が治療に使用されています。
アシクロビルは商品名ゾビラックスと言い、ウイルスのDNA複製を阻害することでウイルスの増殖を抑えます。
ゾビラックスの有効成分アシクロビルは帯状疱疹や性器ヘルペスの再発治療等に使用されているわけです。

クラリスロマイシン、ミノサイクリン等の特徴

クラリスロマイシンやミノサイクリンは医療現場では幅広く使用される抗生物質ですが、その特性や特長にはどのようなものがあるのでしょうか。
クラリスロマイシンは非常に多くの種類の細菌に増殖作用を持っているだけでなく、抗菌作用以外にも有益な作用を発揮するとされています。
クラリスロマイシンは耳から泌尿器から口腔内感染症にいたるまで、全身の細菌感染症に並んで非結核性抗酸菌やヘリコバクター・ピロリ菌などの特殊な感染症にも有効です。

またクラリスロマイシンは細菌類への殺菌的作用や増殖抑制に止まらず、炎症を鎮める効能を持つことも知られています。
感染症になると炎症が生じて発熱や痛みなどをもたらします。
これはある意味免疫機能が作用していることの証左でもありますが、自覚症状を悪化させる要因にもなっているのは確かです。
ここでクラリスロマイシンは炎症も沈静化する作用を有するので、炎症に起因する諸症状の改善も期待できる訳です。

ミノサイクリンは細菌細胞内のリボゾームの働きを阻害し、蛋白質の合成を妨げることで増殖を抑える作用を持っています。
ミノサイクリンも幅広い抗菌スペクトラムを持っており、組織移行性も良好な為、全身の感染症治療に使用されるわけです。
小児から成人まで投与されていますが、重症のニキビ治療では第一選択薬とされているほどです。

ところでクラリスロマイシンとミノサイクリンは化学構造が類似しているため、副作用も屡次視しています。
特に8歳未満の小児では歯のエナメル質が変色する副作用の懸念があるため、この年代での投与は原則行われていません。
また副作用ではありませんが、クラリスロマイシンとミノサイクリンは多用された結果、耐性菌が増加している訳です。
そのためこれらの抗生物質が奏功しない事例が増加しており、別の治療薬が選択されることも増えています。